代満て(しろみて)ってご存じですか?

投稿日:2023-08-21

農業関係者しかわからないと思いますが、代満て(しろみて)という物があります。
農業を始めたばかりの人などは、なかなか聞きなれない言葉だと思うので、ご紹介します。

代満て(しろみて)とは

代満て(しろみて)は村の人や田植えに関わった人が集まって、飲食を共にし、田植えが終わったことを祝う会です。
田植えを始める際の「さおり」「さびらき」「苗びらき」に対して、田植えを終える行事として、早苗饗(さなぶり)とも呼ばれています。

代満ての語源

代満ての『代』は、田んぼのことです。
水が抜かれて乾燥して固くなってしまった田んぼの土を、また田植えができるように水を引き、硬くなった土を砕いて均平にしていく作業を代掻き(しろかき)と呼びます。
代満ての『満て』は、『満てる』という中国地方の方言で、無くなる(使い切る)ことを意味します。
「無くなる」という言葉が「亡くなる」と発音が同じことから、このような言葉を避け、代わりに「満てる」という言葉を使うようになったそうです。
これらの意味から、苗代の苗を最後まで使い切り、田植えを完了させたことを『代満て』と呼ぶようになりました。

『代満て』という言葉から遡るお米作りの歴史

今では農業機械がたくさんあるので、少人数でもお米作りが可能ですが、農業機械がない時代の田植えは村を上げた一大行事でした。
政府統計データを見ると、農業機械がない時代(昭和35年頃)は全国平均で10アールあたり約174時間かかっていたが、農業機械が発展した令和2年では約21.6時間に短縮できるようになったとの記述があります。
政府統計の総合窓口

1つの田んぼの中で、稲の長さにばらつきがあると日が当たらない苗が出来る等の理由から、生育不良の稲が出てしまうため、稲の生育を均一化にするため、田んぼごとに1日で田植えを完了させる必要があります。
昔の田植えは全て手植えをおこなっており、1日で田植えを終えるには手植えの場合、人数が必要になるため、村人が協力して田植えを行っていました。
村人だけでなく、農家の子どもも田植えを手伝うのが当然だったため、昔の農村の学校には「田植え休み」がありました。
また、田植えの時期は地域によって多少変わるため、中には田植えを行っている場所に次々移動して、田植えだけを手伝う専門の人も居たようです。
そんなことから、大変な田植えを無事終えたことを手伝ってくれた仲間たちと祝う代満てが行われるようになりました。

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